嗅覚で歩く

これはアドが動き始める瞬間だが、動物の動きを見ていると「筋肉が骨を動かす」というより、骨がまず動き始め筋肉はそれに応じるという風に感じることがよくある。

目の見えないアドにとって、視覚は用いることができないから、彼の動きの始まりはいつも嗅覚から、つまり四つ足状態で一番先頭になる鼻からだ。四肢は鼻に従う。

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ある程度慣れた場所なら、どれだけ家具があっても、時に椅子が動かされていても、床に誰かの荷物が放置されていても、驚くほど彼はモノにぶつからない。もちろん皆無という訳では無いが、その空間のマッピング能力とモノの気配を感じ取る能力は本当にすごいといつも感心する。ペットとして飼われていてすらそうなのだ。

時々、彼との散歩中に人のいない公園など比較的安全で広いスペースのところで、私も目を閉じて一緒に歩くようなことがある。

目を開けている時は間違いなく私のリードで歩いていた関係性が、リードされるとまではいかなくとも、感じ合い併進する関係性に変わるような感覚を覚える。

共に嗅覚で歩く。そんな時間が好きだ。

文字や画像や音では伝えられないもの。
嗅覚や触覚を味わうことが楽しいこの頃。