変数

必ずしも合わせるのが良いということではないのだが、例えばその日意図的に、最初に提示する際の動きを、ゆっくりやって見せたり、逆に軽めにテンポよくやって見せるようなこともあり、それに合わせてくる人も、いつも自分のペースになる人もいる。

それは意識的かもしれないし、無意識かもしれない。

今日はテンポよく動いてみましょうという感じで口頭で指示を入れる場合もあるが、むしろそうした指示がなかった場合の、すでに経験のあるワークに向き合う時「今、何をするか」をどう捉えているかが見えてくることがある。

速くやっているのを見て、例えばそれは「肘のワークだ」と認識してしまうと、速度という変数に注意が向かず、案外見ているようで見えていないというようなことが、慣れてくるとあるのではないだろうか。

もちろん、その変数に気付いた上で、まずはその日自分の動きやすいテンポに調整している場合もあるだろうが、案外無自覚に「すでに知っていること」としていつもの自分のやり方で処理してしまうような無意識のうちのショートカットが生じているようなことが、私たちにはあったりするかもしれない。

 

スタジオだけでレッスンをしていると、環境という面での変数が余り無い。
だが、自然の中だったら起伏や凹凸や、先日のタイのお寺の話のように熱さ・冷たさ、場合によっては目の前に動物が飛び出してきたり(笑)と、身体感覚を感じることばかりに集中したり、どのようにやるかと考えたり、自分の動きやすいテンポの中だけでは環境に応じられないのでは無いだろうか。

大野一雄氏の『稽古の言葉』で、

自分のやることに責任を持って

という言葉があるが、ナチュラリゼーションのワークのようなシンプルな動きだからなおのこと、「わかったのショートカット」が生じやすかったり、自分が何をしているかに目覚めていることが難しいのではないかと思う。

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