踵に感じるSpiral

二足歩行になったことで捻れた四肢を持つヒトは、ただ歩くだけでもスパイラルに繋がっていく動きの流れがあるが、それは凹凸や傾斜のあるランダムな面と足とがコンタクトを取りながら歩くということの中で進化してきたのだということを、特に下腿がナチュラルさを取り戻すほどに実感する。

真冬の間、ソールは柔らかめでも比較的一般的な靴(ブーツ)を履いて歩く時間という「間」を置いたことによって、再びミニマルシューズで不整地を歩く機会が増えてみると新鮮に立ち上がってくるアキレス腱の感覚があった。

一歩を進めるごとに、そこに微かなスパイラルの流れを感じたのだ。

それはおそらくヒラメ筋と腓腹筋の滑走性や協調の仕方が変わってきていた面もあるだろうが、ああ、こんなところにも螺旋があったかという実感があってから暫くして、だいぶ前に何となく読み流していたアキレス腱の捻れの構造に関する記述を思い出した。

おそらく当時は、へえ、そうなんだと思う程度だったのだと思うが、その一方で「どうして?」と心にとまる何かがあったからかろうじて記憶の片隅に残ったのだろう。

それは、『下肢のスポーツ疾患治療の科学的基礎:筋・腱・骨・骨膜』という本の中だった。

下肢のスポーツ疾患治療の科学的基礎:筋・腱・骨・骨膜 (Sports Physical Therapy Seminar Series9)

 

その39ページに

CumminsらやSolilaらは、踵骨付着部における腓腹筋およびヒラメ筋の付着形態について報告した。図6ー1に示すように、筋腱移行部においては外側に腓腹筋、内側にヒラメ筋が位置しているが、踵骨付着部ではこの2筋が反転している。すなわちアキレス腱は主に腱中心部における回旋を伴ってスパイラルに下降する。

という記述が確かにあった。

だが、それ以上にその感覚が自ずと立ち上がってきたということの方が、私にとっては印象的だったりする。

その微かな感触のある一歩に、動きが受け渡されていく心地よい流れがあり、そんな感触も無いまま長い年月を働かされてきた足首に対して申し訳ないような気さえしつつ、でも、そうして気付かせてくれる身体に、そしてそれを育み直してくれる凹凸のある道に、また感じ入るものが多い春だ。

 

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