プラータナー ร่างของปรารถนา

届くのを楽しみにしている1冊の本がある。

タイの現代文学の作家でずっと気になっていたウティット・ヘーマムーン氏の著書がようやく日本でも出版されるのだ。

プラータナー: 憑依のポートレート

また、その発売と同日にこの作品が舞台化された公演が東京芸術劇場でスタートする。

www.pratthana.info

jfac.jp

 

この物語で描かれている四半世紀はちょうど、私が暮らしていた時期から2016年頃までの間で展開するそうだ。

91年の軍事クーデター、翌年5月の事件の頃の記憶はやはり強く印象に残っている。TVでは情報が制限され、大使館や日本人会、勤務先を通じた情報で断片的に状況を把握するしかなかったし、日本の家族や友人からは心配して国際電話がかかったりもした様にむしろ国外の人の方がその時点での状況を知っていたのかもしれない。いくつかの企業は現地の邦人スタッフやその家族を帰国させ始めたりもする中、確かに家人も通勤途中にちょっと怖い目にあったりもしたこともあったのだが、緊迫した状況にある様で、一方ではいつもと変わらぬ様な日常がありもし、その同じ時間の中にある奇妙なギャップと、そこに異邦人として居る居心地の様なものが特に印象深い。

実際に見て感じたその当時のタイと、その後のタイ。2016年はこれもまたちょうど久しぶりにタイを訪れた年でもあり、それがどの様に描かれているのか読むのがとても楽しみだ。